働いてさえいれば、食えた
日本人の"ゆるさ"を、環境から想像してみる 大学の日本史の講義で使うテキストを読んでいた。本郷和人さんの『日本史でたどるニッポン』。淡々とページをめくっていた手が、ある一節で止まった。日本人の性格の話だった。 本郷さんはこう論じている。私たちの住むこの島は、地政学的に外から攻め込まれることが少なかった。気候も、シベリアの寒さやインドの暑さのような極端さがなく、おおむね温暖だ。水源に恵まれ、農産物もよく育つ。つまり——働いてさえいれば、食えた。 食うために誰かと激しく奪い合う必要が薄かった、という話だ。 ここで一つ、言葉を置いておきたい。ある集団の性質を、
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